根腐れになった観葉植物の植え替え方法をイラスト付きで詳しく教えます!

根腐れになった観葉植物の植え替え方法の説明をしている Flower-Green

今回は「根腐れになった観葉植物の植え替え方法」というテーマでお伝えしていきます。観葉植物が根腐れになると、土の乾燥が遅くなったり葉や根が変色したりなど、さまざまな症状が現れます。

根腐れの原因は、「不適切な水やり」「通気性・排水性の悪い土」「肥料の与え過ぎ」でしたね。(※根腐れの症状や原因について知りたい方は、こちらをご覧ください。)

この記事では、

  • 根腐れになった観葉植物の植え替え方法が知りたい!
  • 植え替えにはなにを準備したらいいの?
  • 根腐れになった観葉植物を復活させたい!

こんな悩みを解決できます。ぜひ最後までご覧ください。

根腐れになった観葉植物を植え替えるときに必要なもの10個

植え替えに必要なものを紹介している

植え替えをする際に準備するものは、以下の通りです。

~ 必要なもの ~

  1. ガーデニングトレーシート or ビニールシート
  2. スコップ
  3. 手袋
  4. 園芸用ハサミ
  5. 鉢底ネット
  6. 軽石 or 鉢底石
  7. 新しい観葉植物用の土
  8. 割りばし
  9. 根腐れ防止剤(必須ではない)

まずは、それぞれの役割や注意点について見ていきましょう!

必要なもの①:鉢

植え替えをする際に使用する鉢は、観葉植物のサイズに合った清潔なものを用意しましょう。下記の「手順:」で詳しく解説しますが、植え替えをする際に根や葉、茎 or 枝を取り除くので、観葉植物のサイズが小さくなる可能性があります。

つまり、植え替えを行う前後では観葉植物のサイズと鉢の大きさが合わなくなることがあるのです。なので、鉢のサイズダウンも視野に入れておきましょう。

また、清潔ではない鉢を使用すると、病気や害虫が発生する原因につながります。そのため、ちょうどよい大きさの清潔な鉢を選ぶようにしましょう。

必要なもの②:ガーデニングトレーシート or ビニールシート

ガーデニングトレーシートやビニールシートなどは、植え替えを行うスペースに敷きます。シートを敷く理由は、作業スペースが汚れないようにするためです。

ガーデニングトレーシートは、四隅のホックを留めることでトレーの形になり、土や根などが飛び散るのを防げます。

ビニールシートや新聞紙でも代用できますが、繰り返し使えて作業がしやすいガーデニングトレーシートが1枚あるとかなり便利ですよ。ガーデニングトレーシートのサイズは、80cm×80cm〜100cm×100cmがよく使われています。

必要なもの③:スコップ

植え替えのときに使うスコップは、園芸用の小型スコップがおすすめ。スコップの形状には、剣先タイプや丸形タイプ、筒形タイプなどが挙げられます。

植え替えでは、片手で観葉植物を支えながらもう片方の手で土を入れるという作業があります。そのため、1度にたくさんの土をすくえるのはもちろん、握りやすくこぼれにくい形状をしたスコップを選ぶことで、作業がよりスムーズに行えるでしょう。

必要なもの④:手袋

手袋には、用途ごとにさまざまな種類やサイズがあります。細かい作業ができるように、手の大きさに合うものを選びましょう。

また、防水加工が施されている手袋を選ぶことで、手や指先が荒れるのを防げます。手袋が用意できない場合は、軍手 or ゴム手袋でも代用可能ですよ。

必要なもの⑤:園芸用ハサミ

園芸用のハサミは、切れ味がよく耐久性のあるものがおすすめ。握りやすいハサミを選ぶことで、手が疲れにくくなりますよ。ハサミの大きさは、手が小さめの方なら18cm以下、大きめの方なら20cm以上が使いやすいでしょう。

必要なもの⑥:鉢底ネット

鉢底ネットは根腐れや害虫の侵入、土の流出を防ぎます。よく使われている鉢底ネットのタイプには、好きな大きさにカットして使える「ロールタイプ」、丸形や角形をしたそのまま使える「カット済みタイプ」、軽石や鉢底石を入れて使う「袋タイプ」などが挙げられます。

種類が豊富にあるので、あなたが使いやすいと思う鉢底ネットを選びましょう。

※スリット鉢に植え替える場合は、観葉植物の土を直接鉢の中に入れるので、鉢底ネットは必要ありません。

必要なもの⑦:軽石 or 鉢底石

軽石や鉢底石には、根腐れを防ぐ効果があります。なぜなら、軽石や鉢底石を鉢の底に敷くことで、鉢の中の通気性と排水性がよくなるからです。

根腐れの再発を防ぐためにも、鉢底に軽石や鉢底石を敷いてから植え替えをしましょう。ちなみに、軽石や鉢底石を敷く量は鉢の5分の1程度が一般的とされています。

※スリット鉢に植え替える場合は、観葉植物の土を直接鉢の中に入れるので、軽石・鉢底石を鉢底に敷く必要はありません。

必要なもの⑧:新しい観葉植物用の土

根腐れになった観葉植物を植え替える際は、新しい土を使いましょう。古い土は劣化しているので、そのまま使うと根腐れが再発する可能性があります。

そのため、通気性や排水性がよくなるように配合した新しい土を使うとよいでしょう。自分で配合するのが難しい場合は、市販されている通気性や排水性のよい観葉植物の土を選ぶのがおすすめですよ。

必要なもの⑨:割りばし

割りばしは、土の中にある余分な空間(根と土の間にある隙間)をなくすために使います。使い方は、割りばしを土に複数回ズボズボと刺すだけ。

力強くやり過ぎると根に傷が付いたり、土と土の隙間が詰まり過ぎて呼吸がしづらくなったりする可能性があるので、注意が必要です。割りばしを使う際は、根を傷付けないよう優しく行いましょう。

必要なもの⑩:根腐れ防止剤

根腐れ防止剤とは、土の状態を植物が生長しやすい環境に改良する資材のことです。使用することで根腐れを予防します。

根腐れ防止剤の種類には、「ゼオライト」「珪酸塩白土(けいさんえんはくど)」「酸素粒剤」が挙げられます。根腐れ防止剤の使い方は、鉢底石として「敷く」、土に「混ぜ込む」、表面に「撒く」のいずれかです。

ゼオライトは、表面にたくさんの穴が開いており、土の中の有害物質を吸着して菌の繁殖を防ぐという性質があります。

珪酸塩白土は、水を吸って膨らむ性質があり、土の中に隙間を作ってくれるので、通気性・排水性がよくなります。ゼオライトと同様に、雑菌を吸着する働きもあるのです。

酸素粒剤は、土の中の水分や有機物に触れるとゆっくり酸素を放出します。商品によって効果のある期間は異なりますが、目安は3〜5カ月程度です。

根腐れ防止剤は、絶対に必要な資材というわけではありませんが、あると根腐れになりにくくなるので、より安心して観葉植物を育てられるでしょう。

根腐れになった観葉植物の植え替え方法

観葉植物が根腐れになったときの植え替えの手順は、以下の通りです。

~ 植え替え方法 ~

  1. 観葉植物を鉢から取り出し、土をほぐしながら腐敗した根や傷んだ葉・茎 or 幹・枝を取り除く
  2. 根とのバランスを考慮して元気な部分(葉・茎 or 幹・枝)を剪定する
  3. 観葉植物のサイズに合った清潔な鉢を用意し、鉢底ネット→鉢底石の順に入れて新しい土を敷く
  4. 鉢に観葉植物を入れて新しい土を足す
  5. 植え替えが完了したら明るい日陰に置き、新芽が出るまで様子を見る
  6. 新芽が出たら普段通りの管理に戻す

※補足ですが、茎や幹の根元がブヨブヨになっている場合は、植え替えでの復活は見込めない可能性があるので、挿し木をするとよいでしょう。

※冬の根腐れは、生長期と比べて生存率が低いので慎重に行ってください。

それでは、さっそく根腐れになった観葉植物の植え替え方法をイラスト付きで具体的に解説していきます!

手順①:観葉植物を鉢から取り出し、土をほぐしながら腐敗した根や傷んだ葉・茎 or 幹・枝を取り除く

観葉植物を鉢から取り出す説明をしている

まずは、観葉植物を鉢から取り出してください。

※土が硬くなり観葉植物が抜けない場合は、鉢の縁や底などを叩くと取り出しやすくなりますよ。

根腐れになった部分を切る説明をしている

観葉植物を鉢から取り出したら、土をほぐしながら腐敗した根をすべて取り除きます。根腐れになった根は黒や茶色に変色しており、その中でも特に細い根は土をほぐしているときにポロポロとちぎれます。

一見健康そうな根でも、触ってみるとふにゃふにゃと柔らかくなっていることがあるので、丁寧に確認しながら取り除くのがポイントです。根が太い場合は、切れ味のよいハサミやナイフを使いましょう。

傷んだ枝や葉を切る説明をしている

そして、腐敗した根と同様に、傷んだ葉・茎 or 幹・枝もすべて切り落とします。傷んでいる枝や幹が太くハサミで切れないときは、鉢から取り出す前にのこぎりで切り落とした方が作業しやすいですよ。

腐敗した根や傷んだ茎 or 幹・枝を切り落とした際の切り口が、黒や茶色に変色している場合があります。腐敗した部分や傷んだ部分を残したままにしておくと枯れる原因につながるので、健康な色をしているところまで切り詰めましょう。

ちなみに、健康な根の色はこれ。
↓↓↓

健康な根を紹介している

健康な茎の色はこんな色。
↓↓↓

健康な茎の色を紹介している

健康な枝の色はこんな感じです。
↓↓↓

健康な枝の色を紹介している

手順②:根とのバランスを考慮して元気な部分(葉・茎 or 幹・枝)を剪定する

残った根の量と葉・茎 or 幹・枝のバランスを考慮して、元気な部分も剪定する必要があると説明している

手順①では、腐敗した不要な根や葉・茎 or 幹・枝をすべて取り除きました。根腐れが進行すればする程、根の量が少なくなるので、葉や茎 or 幹などを支えきれない可能性があります。

つまり、頭でっかち(葉・茎 or 幹などが多い)のままではバランスが悪く、安定しないということです。安定していないとグラグラしてしまい、観葉植物が倒れることも……。

そのため、残った根の量と葉・茎 or 幹・枝のバランスを考慮して、元気な部分も剪定する必要があります。

手順③:観葉植物のサイズに合った清潔な鉢を用意し、鉢底ネット→鉢底石の順に入れて新しい土を敷く

植え替えに使う鉢は、観葉植物のサイズに合う清潔なものを用意しましょう。観葉植物のサイズより鉢の号数が大きいものを選ぶと、水やりをした際に土が乾きにくくなるので、再び根腐れになる可能性が高くなります。

また、同じ鉢を使うときはきれいに洗ってから植え戻してください。理由は、腐敗した根や土、雑菌が残ったまま植え戻すと、根腐れを繰り返す恐れがあるからです。そのため、観葉植物のサイズに合った清潔な鉢を用意することがとても重要になります。

鉢底ネット、軽石、土を入れる説明をしてる

用意した鉢の底には鉢底ネットを敷き、鉢底石を5分の1程度の高さを目安に入れます。そして、植え替え後をイメージして観葉植物の高さを見ながら、下に敷く新しい土の量を調整してください。根腐れ防止剤を使う際は、商品説明をしっかり確認して使いましょう。

手順④:鉢に観葉植物を入れて新しい土を足す

観葉植物を入れて土をかぶせ、ウォータースペースを確保する説明をしている

株の高さが決まったら鉢に観葉植物を入れ、新しい土をさらに足します。根の隙間にも土が入るように、割りばしで突いたり鉢を軽く揺すったりしましょう。

とはいえ、割りばしで突く際に強くやってしまうと、土と土の隙間がぎちぎちに詰まり、通気性や排水性が悪くなる可能性があるので注意が必要。根を傷付けることもあるので、優しく適度に行いましょう。

土は鉢の縁から2〜3cm下くらいまで入れてください。鉢から水があふれないように、ウォータースペースを確保するのがポイントです。

手順⑤:植え替えが完了したら明るい日陰に置き、新芽が出るまで様子を見る

植え替えが終わった水やりをする説明をしている

植え替えが終わったら水を与えます。鉢底から流れ出る水が透明になるまで、たっぷりと与えてください。活力剤を水に混ぜて与えるのもおすすめですよ。

植え替え後は風通しのよい明るい日陰で管理する説明をしている

植え替え後は、風通しのよい明るい日陰で管理しましょう。理由は、根腐れや植え替えでダメージを受けた観葉植物に強い直射日光を当てると、復活するどころかさらに弱ってしまうからです。なので、風通しのよい明るい日陰で管理するようにしてくださいね。

そして、一度決めた場所からはあまり動かさず、新しい芽が出るまで様子を見ましょう。その後の水やりは、土が乾いたのを確認してから与えてください。

手順⑥:新芽が出たら普段通りの管理に戻す

水やりをするタイミングを説明している

植え替え後は新芽が出るまで「水やり→土が乾く→水やり→土が乾く→……」を繰り返します。順調に生長すると新芽が出てきます。新芽が出たら根が少しずつ回復しているサインです。新芽が出だしたタイミングを目安に、普段通りの管理方法に戻していきましょう。

植え替え後の管理で少しずつ新しい環境に慣らしてあげる説明をしている

ただし、植え替え後の管理場所から観葉植物を移動させる場合は、少しずつ新しい環境に慣らしてあげてください。観葉植物を突然違う場所に移動させると急な環境の変化にストレスを感じ、枯れてしまう可能性があります。

というような感じで、根腐れの再発を防ぐためにも風通しや日当たり、水の与え方などに注意して正しく管理しましょう。

根腐れになった観葉植物に肥料や活力剤を与えるタイミング

肥料と活力剤の紹介をしている

肥料と活力剤は同じものと思っている方も多いのではないでしょうか?実は……肥料と活力剤は同じものではありません。

肥料は、窒素・リン酸・カリまたは2成分以上の栄養素が一定以上含まれているものと法律で定められています。

活力剤は、植物を活性化させるものです。肥料に満たない少量の窒素・リン酸・カリや微量要素(塩素・鉄・銅など)、ビタミン、アミノ酸などが配合されています。もちろん、肥料成分が入っていない活力剤もありますよ。

最後に、肥料や活力剤を与えるタイミングを解説していきます。

肥料を与えるタイミング

肥料は、植え替え後すぐに与えないようにしましょう。その理由は、肥料焼けを起こす可能性があるからです。

もう少しわかりやすく言うと、根腐れでダメージを受け根の量が減っているので、肥料をうまく吸収できません。浸透圧の関係で土の中にある高濃度の肥料を薄めようとする力が働き、根から水分が流出してしまいます。

つまり、植え替え後すぐに肥料を与えると、根がしおれて枯れてしまう恐れがあるということです。なので、肥料を与えるタイミングは、新芽が出て観葉植物の状態がよくなってからにしましょう。

※肥料を与える際は使用上の注意をよく確認し、生長期(春〜秋)に与えるようにしてください。

活力剤を与えるタイミング

活力剤は、植え替え直後に与えるのがおすすめ。発根促進や傷んだ根の生長を助けるのに有効です。肥料焼けしないので、観葉植物が弱ったときにも与えられます。代表的な活力剤には、「メネデール」「リキダス」「HB-101」などが挙げられます。

植え替え後以外に活力剤を与える主なタイミングは、次の通りです。

~ 活力剤を与えるタイミング ~

  • 観葉植物が弱っているとき
  • 暑さで負担がかかっているとき
  • 寒さで負担がかかっているとき

とはいえ、観葉植物を育てる上で絶対に必要かと言われたらそうでもありません。「弱った観葉植物を元気にしたい!」「葉の色をよくしたい!」「傷んだ根を復活させたい!」「根の張りをよくしたい!」「発根を促進させたい!」という方は、ぜひ活力剤を与えてみましょう。

ノアくん
ノアくん

僕が使っている活力剤は、「メネデール」と「リキダス」だよ〜!

大切な観葉植物を根腐れから復活させよう!

健康な観葉植物を紹介している

以上が根腐れになったときの植え替え方法です。そんなに難しい作業ではなかったですよね。とはいえ、「植え替えをすれば確実に復活します!」とは必ずしも言い切れません……。

根腐れが進行し過ぎていたり、生長期ではない時期に植え替えをしたりすると、観葉植物が復活する確率はかなり低くなります。

かと言って、根腐れをそのまま放置していても復活することはありません……。むしろ、観葉植物の状態が悪化しちゃいます。

なので、根腐れの進行具合により「植え替え」または「挿し木」どちらかの対処を行い、復活させるしかないのです。

また、観葉植物を復活させるために植え替えを行ったとしても、肝心な原因がわかっていないと根腐れを繰り返す可能性があります。なぜ根腐れになったのかをしっかり突き止め、同じ失敗を繰り返さないようにしましょう。

〜 大切な観葉植物が早く元気になりますように!〜
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました